「iPhoneのストレージがいっぱいです」 この通知を見るたびに、絶望的な気分になりませんか?
写真を消すか、月額料金を払ってクラウドの容量を増やすか。 私たちは常に「データの断捨離」か「課金」の二択を迫られています。
しかし、冷静に考えてみてください。 なぜ、自分の思い出を保存するために、他人のサーバーに毎月お金を払い続けなければならないのでしょうか?
「クラウドに毎月お金を払うのは、今日で終わりにしましょう」
その答えが、自宅に置く自分だけのサーバー、NAS(ナス)です。 中でも、今回紹介する『Synology DiskStation DS224+』は、まさに「自宅に置けるGoogleフォト」。
一度導入してしまえば、容量無制限・月額無料の世界が待っています。 大切な子供の写真も、膨大な仕事の書類も、すべてを飲み込む「データの要塞」を構築しましょう。
Synology DS224+ レビュー:これは「NAS界のiPhone」だ
【このセクションのまとめ】
- Synology Photosが神アプリ。Googleフォトからの乗り換え先はこれ一択。
- 帰宅してWi-Fiに繋がれば自動バックアップ完了。ズボラでもデータは守られる。
- 外部アクセス機能で、外出先でも自宅の数TBのデータが手元にある感覚。

「NASって、PCに詳しい人向けの難しい機械でしょ?」 そう思っていた時代は終わりました。 SynologyのNASが世界中で覇権を握っている理由は、「ソフトウェアの使いやすさが圧倒的だから」です。 まさにハードもソフトも優秀な「NAS界のiPhone」と言えるでしょう。
その象徴が、神アプリ『Synology Photos』です。 はっきり言います。これが使いたいからSynologyを買う、それで十分元が取れます。
使い勝手は、ほぼGoogleフォトと同じ。 スマホで撮った写真を、自動でタイムライン表示し、驚くことにAIが「人物(顔認識)」や「場所」で勝手に分類してくれます。
Googleフォトが有料化した今、無料で同じ機能が使えるのは感動すら覚えます。 しかも、画像は圧縮されず「オリジナル画質」のまま。
もう一つの最強機能が「自動バックアップ」です。 専用アプリを入れておけば、家に帰ってスマホがWi-Fiに繋がった瞬間、新しい写真だけを静かにNASへ転送してくれます。
寝ている間にバックアップは完了。 万が一、明日スマホを水没させても、思い出は自宅のDS224+の中に安全に守られています。 この「安心感」は、何物にも代えがたいものです。
さらに、「QuickConnect」機能を使えば、外出先からでも自宅のNASにアクセス可能。 カフェで仕事中に「あ、家のHDDにあるあの資料が必要だ」となっても、スマホやノートPCからサクッと取り出せます。 まるで、自宅のデスクをそのまま持ち歩いているような感覚です。
なぜ、安い「j」ではなく上位版の「DS224+」を選ぶべきか
【このセクションのまとめ】
- CPUパワーが段違い。大量の写真のサムネイル表示が一瞬で終わる。
- メモリ増設が可能で、将来的にDockerなどの高度な遊びもできる。
- 長く使う「母艦」だからこそ、ストレスのないプラスシリーズが正解。
Synologyには、白い筐体の「jシリーズ(例:DS223j)」という安価なモデルもあります。 「とりあえず保存できればいい」という人はそちらでも構いません。
しかし、写真や動画を快適に見たいなら、絶対に黒い筐体の「+(プラス)シリーズ」、つまりこのDS224+を買ってください。 最大の理由は「CPUの処理能力」です。
スマホアプリで写真をスクロールする時、画像が表示されるまでの「一瞬の間」が気になったことはありませんか? 安いNASだと、数万枚の写真のサムネイル生成に時間がかかり、表示がカクつきます。
対して高性能なインテル製CPUを積んだDS224+は、処理が爆速。 膨大な写真ライブラリも、スマホ本体に入っているかのようにヌルヌル表示されます。 この「毎日の数秒のストレス」を消すために、差額を払う価値は間違いなくあります。
また、DS224+は「Docker(コンテナ)」が動くのもマニアにはたまらないポイント。 将来的に「自宅で広告ブロックサーバーを立てたい」「Minecraftサーバーを動かしたい」と思った時、このNASなら対応できます。 「ガジェット好きの遊び場」としても、最高のポテンシャルを秘めているのです。
サーバー構築? いいえ、HDDを挿して待つだけです
【このセクションのまとめ】
- ドライバーすら不要。HDDを「カチッ」とはめ込むだけのツールレス設計。
- ブラウザの画面に従って進めば、30分後にはあなただけのクラウドが完成。
- RAID1(ミラーリング)設定で、HDDが1本壊れてもデータは復旧可能。
「設定で挫折しそう…」という心配も無用です。 DS224+のセットアップは、プラモデルよりも簡単です。
まず、本体のカバーをパカッと外し、別売りのHDD(ハードディスク)を2本挿し込みます。 ネジもドライバーも要りません。カチッとはめるだけ。
あとはLANケーブルでルーターに繋ぎ、PCやスマホのブラウザで指定のURLを開くだけ。 画面に日本語で「ようこそ」と表示され、指示に従ってクリックしていけば、OSのインストールから初期設定まで、ほぼ全自動で終わります。 コーヒーを飲んで待っていれば、30分後には使えるようになっています。
ここで重要なのが、HDDを2本使う「RAID 1(ミラーリング)」という運用です。 これは、2本のHDDに「全く同じデータ」を同時に書き込む仕組み。
もし、片方のHDDが突然故障しても、もう片方にデータが残っているので、一切データは消えません。 壊れたHDDを新しいものに交換すれば、自動でまたコピーして元の状態に戻してくれます。
「機械はいずれ壊れる」という前提でデータを守る。 外付けHDDを1個だけ繋いでバックアップしたつもりになっているのとは、信頼性の次元が違います。
まとめ:初期投資は高くても、これこそが最も賢い「節約」
【セクションの要点】
- 本体とHDDで6〜7万円かかるが、数年使えばクラウド代より安くなる。
- データは自分の手元にあるのが一番安全で、自由。
- DS224+は、家族の思い出とデジタルライフを守る「現代の金庫」。
DS224+本体が約4万円台、そこに4TB〜6TBのHDDを2本買うと、合計で6〜7万円ほどの出費になります。 「高い!」と引いてしまうかもしれません。
しかし、計算してみてください。 もし家族全員で、iCloudやGoogle Oneの2TBプランなどを契約し続けたとしたら? 毎月数千円の固定費を、10年、20年と払い続けることになります。 その総額は、余裕でNAS代を超えてしまいます。
DS224+なら、最初に払えばあとは電気代だけ。 しかも、容量が足りなくなればHDDを大きなものに入れ替えるだけで、10TBでも20TBでも拡張し放題です。
何より、「巨大IT企業の規約変更や値上げに怯えることなく、自分のデータは自分で管理する」という精神的な自由。 この開放感は、一度味わうともう戻れません。
子供の成長記録、かけがえのない動画、消えては困る仕事のデータ。 それらを全て飲み込み、堅牢に守り続ける「黒い箱」がデスクの片隅にある安心感。
『Synology DS224+』への投資は、単なるガジェット購入ではありません。 あなたのデジタルライフにおける「独立宣言」なのです。



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